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2007年05月11日(金) 21時33分

「摂理」教祖を北京で拘束 韓国通信社報道朝日新聞

 女性信者らに性的暴行を繰り返していたとされるカルト集団「摂理」の韓国人、鄭明析(チョン・ミョンソク)教祖=韓国が強姦(ごうかん)容疑などで国際手配=とみられる人物が今月1日、北京で中国の公安当局に拘束された。韓国の聯合ニュースが伝えた。遼寧省鞍山市で当局の取り調べを受けているという。韓国の情報筋は11日、朝日新聞に対し、「拘束されたことは事実だが、それ以上は現時点では不明だ」と語った。

「摂理」の鄭明析教祖

 鞍山市には、韓国人女性が鄭氏から性的暴行を受けたという「明象山荘」と呼ばれる施設がある。同市公安当局がこの施設と思われる場所にいた鄭氏の側近を取り調べたうえで、北京で拘束したという。中国公安省は06年、鄭氏を強姦容疑で指名手配していた。

 一方、韓国も鄭氏を同容疑で指名手配している。韓国の警察関係者は「拘束された人物が鄭氏かどうか確認できていない」と説明。身元が確認され次第、中国公安当局の捜査終了を待って、身柄の引き渡しを求める方針だ。

 摂理は、キリスト教の聖書を独自に解釈する教義を掲げ、韓国で80年ごろに設立された。鄭氏は99年に国外に逃亡、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配されていた。

 日本でも、首都圏や関西で、大学生ら20代の若者を中心に約2000人が登録。共同生活や、信者同士の合同結婚式の開催などで社会問題化した。千葉県警が今年1月、千葉市内の女性幹部宅や関連施設などを家宅捜索するなど、組織の実態解明を進めている。

http://www.asahi.com/national/update/0511/TKY200705110312.html