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2007年05月10日(木) 06時02分

先物取引の「オムニコ」元外務員が、5億円詐取の疑い朝日新聞

 顧客とのトラブルの多さなどを理由に今年3月、農林水産省と経済産業省から業務停止処分を受けた商品先物取引会社「オムニコ」(東京)で、元外務員の男が顧客から金銭をだまし取り、行方をくらませていることがわかった。被害者は20人以上、被害額は5億円を超すとみられる。被害者の1人が詐欺などの疑いで警視庁に告訴したほか、同社も「近く被害届を出す方向で動いている」としている。

 被害者の男性(42)によると、同社で取引を始めて5カ月後の04年11月、「損を取り戻す良い話がある」などと元外務員に持ちかけられ、計1600万円余を指定口座に入金。その後も「会社で責任をもって返す」などと誘われ、翌月まで20回以上にわたり総額1億円余を入金した。

 その後、元外務員は色々な口実で返済を渋り続け、05年9月に行方不明となり、解雇された。

 この男性は翌月、刑事告訴した。今年3月には、元外務員と同社を相手取り、損害賠償を求める訴えを東京地裁で起こした。同社は「係争中なのでコメントは差し控えたい」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0510/TKY200705090367.html