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2007年05月09日(水) 07時54分

<捜査資料流出>家宅捜索で発見、内偵事件記載…愛知県警毎日新聞

 愛知県警組織犯罪対策課の捜査資料が、風営適正化法違反容疑で逮捕された名古屋市の会社役員(41)の関係先から押収されていたことが8日、分かった。捜査資料には、暴力団関係者が経営する飲食店について同課が内偵していた不法就労事件の関係者の氏名などが記載されていたという。県警は同事件にかかわった捜査員らが内部情報を故意に漏えいした疑いがあるとして、捜査員らから事情を聴くなど慎重に捜査している。
 関係者によると、押収されたのは、同課の捜査資料と、同課が属する組織犯罪対策局で行われた会議で配布された資料の2点。今年1月、飲食店を無許可で営業したとして逮捕、起訴された会社役員の男=風営適正化法違反罪で執行猶予付き有罪判決確定=の関係先の家宅捜索で見つかった。
 捜査資料は、不法滞在の外国人労働者を働かせていた別の飲食店経営者について出入国管理法違反(不法就労助長)などの疑いで内偵していた際のもので、経営者や従業員ら関係者名を記載していた。昨年9月ごろに作成され、同じころに捜査員らに配布したという。また、会議資料は昨年12月ごろに県警本部内で開かれた会議で配布されたものだという。
 資料はいずれも同課員ら一部の捜査員にしか配布されていなかった。会社役員は詳しい資料の入手先や入手経路などについて供述していないといい、県警は入手の経緯を調べるとともに、会社役員と飲食店経営者の関係を追及している。
 結局、この不法就労事件は摘発されなかったが、漏えいの影響があったかは不明だという。飲食店経営者は暴力団関係者とみられる。
 県警は厳秘の捜査資料が外部に流出した事態を重視し、同課の捜査員らの聴取を進めている。組織犯罪対策局の幹部は毎日新聞の取材に対し「捜査中のことで、事実関係は分からない」などと話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070509-00000022-mai-soci