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2007年05月09日(水) 03時01分

エキスポランドの昨年の人身事故、府が国への報告怠る朝日新聞

 ジェットコースター死傷事故があった大阪府吹田市のエキスポランドで昨年発生した別の遊具による2件の人身事故について、連絡を受けた大阪府が国土交通省への報告を怠っていたことが、わかった。国交省は建築基準法に基づき、事故を報告するよう各都道府県に要請しているが、最長で1年近く放置していた。

 府は朝日新聞の取材に「小さい事故なので報告は必要ないという認識でいた」と回答。8日に国交省へ報告したという。

 府によると、1件目の事故は昨年5月11日、回転式ブランコで発生。未成年の客が降りる際に足首をひねり、右足の靱帯(じんたい)を損傷した。エキスポランド社から府への報告は事故の4日後だった。

 2件目の事故は12月16日。ゴンドラ型の回転遊具で客の1人が安全バーに首をはさまれ、病院に搬送された。府は事故の7日後に同社から報告を受けたという。

 国交省は建築基準法に基づく05年3月通知で、建物やエレベーター、遊具で発生した人身事故について、各都道府県が同省に報告するよう要請している。だが、国交省によると、府は7日に同省から指摘されるまで、報告を怠っていた。

 国への報告義務について、府建築安全課は「すべてを国に報告すれば大変な作業量になる。今後どうするか、市や町と協議したい」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0508/TKY200705080401.html