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2007年05月09日(水) 23時35分

未公開株への投資で、大学生の被害急増 マルチ商法的朝日新聞

 「近々上場する」「絶対もうかる」などと言われ未公開株を購入したが、いっこうに上場せず、解約にも応じないといったトラブルが大学生の間で急増している。これまで高齢者の被害が多かったが、大学の投資サークルを足がかりに広がっており、国民生活センターは「販売業者が学生の投資熱に目をつけたのでは」とみている。

 大学生が消費生活センターによせた未公開株トラブルの相談件数は、04年度までゼロだったが、05年度に5件、06年度は36件に増えた。投資額は1人あたり60万〜70万円で、相談は首都圏に集中している。

 国民生活センターによると、次のような「マルチ商法」的パターンが多いという。大学生が友人から投資サークルに誘われ、未公開株への投資を勧められる。誘われた学生が学内やバイト先、合コンなどで友人を勧誘していく——。誘った側にマージンが10万円入ることもあるという。

 首都圏の男子大学生は昨年、投資サークルに勧誘された。仲間から「いいもうけ話がある」と韓国の「一流ベンチャー企業」の未公開株の購入を持ちかけられ、サラ金から借金して65万円を投資した。しかし、株を発行する企業名を明らかにせず、「上場する」と言った時期に上場しなかったため、今年2月、国民生活センターに相談した。

 こういった販売業者は数社あるが、実在するかどうかも不明な企業の株を売ったり、株券も渡さなかったりすることが多い。同センター相談調査部では「甘いもうけ話は絶対に信用しないで。新入生は特に注意してほしい」と呼びかけている。

http://www.asahi.com/national/update/0509/TKY200705090339.html