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2007年05月06日(日) 03時03分

<近未来通信>石井社長、出資金5億円を海外に毎日新聞

 IP電話会社「近未来通信」(東京都中央区、破産手続き中)を舞台にした投資詐欺事件で、石井優社長(50)=国際手配中=が、日本出国の3日前に、投資家から詐取した出資金2億5000万円を逃亡先とみられる中国の関連会社に送金していたことが分かった。別に出資金2億5000万円を持ち出したことが既に判明しており、石井社長が海外に持ち出した資金は5億円に上ることになった。
 関係者によると、石井社長が出国する3日前の昨年11月14日、自らが管理し、投資家からだまし取った資金の一部をプールしていたペーパー会社から中国の関連会社に2億5000万円が送金されていた。この関連会社は休眠状態で、全額が石井社長の逃亡資金になった疑いが強いという。
 これとは別に、石井社長は昨年11月中旬、都内の会社社長に預けて有価証券ファンドで運用していた資金のうち2億5000万円を自分名義の口座に入金させていたことが既に判明している。
 海外持ち出しが5億円に上ることについて、被害対策弁護団は「極めて悪質で計画的な持ち逃げだ」と批判している。
 近未来通信は経営実態を巡る報道を契機に、昨年10月に投資家への配当金支払いがストップ。12月4日に警視庁捜査2課が詐欺容疑で本社を家宅捜索した際には、同社の銀行口座には数百円しか残っていなかった。
 同課は石井社長が投資家から通信用サーバーの購入名目で投資金をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕状を取り、国際刑事警察機構(ICPO)を通して国際手配している。【石丸整、鳴海崇】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070506-00000006-mai-soci