記事登録
2007年05月03日(木) 14時00分

窃盗:パチスロ「体感器」使用、「自爆機能」で立証不能 逮捕直前、作動か /新潟毎日新聞

 ◇地検が不起訴
 パチスロ機の当たり周期を読み取る電子機器「体感器」で大当たりを連続させ、不正に遊技用メダルを出したとして窃盗などの疑いで県警に逮捕された男が逮捕直前、体感器内部のプログラムを消す「自爆機能」を使ったため犯罪立証できず、新潟地検が窃盗罪について不起訴処分にしたことが2日分かった。体感器による不正への窃盗罪適用は先月最高裁が認めたばかりだが、一方で犯罪者側のこうした防御が立件を阻むケースを浮き彫りにした。
 パチンコ業界関係者によると、体感器は市販の低周波治療器などを改造し、パチスロ機やパチンコ台の機種に固有の大当たり周期を読み取りながら操作することで、当たりを出しやすくする。
 同地検の調べなどによると、男は先月13日午前、新潟市のパチンコ店で体感器を使用して、不正にメダルを出しているところを現行犯逮捕。しかし、体感器は既に自爆機能が使われて作動できない状態だったという。同店駐車場に止めた見張り役とみられる別の男が乗った車からは体感器などが押収されたという。
 こうしたパチンコの不正行為に詳しい関係者らによると、体感器の多くには、ボタン操作や遠隔操作で、過剰な電流を流して基盤を壊したり、体感器を作動させるための暗号を消去するなどさまざまな自爆機能を備えているという。関係者は「一度『自爆』させると、再び作動させることは困難で、現状では打つ手がない状態だ」と話している。【五十嵐和大、岡田英】

5月3日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070503-00000145-mailo-l15