捜査当局によると、今年1月、県警が2曹の中国籍の妻を入管難民法違反容疑で逮捕して自宅を家宅捜索した際、護衛艦のレーダーのデータなどを記録したフロッピーディスク(FD)を押収したほか、イージス艦の情報が持ち出されていたことが判明したという。
県警は、2曹の担当職務や階級に照らして接触できる秘密情報が限られていることから、情報の入手経路に関心を寄せて捜査。秘匿性の高い情報に接触できる別の人物が2曹に渡した可能性も視野に慎重に調べている。
関係者によると、2曹は95〜99年にイージス艦「きりしま」(横須賀基地)に乗っていた。また、2曹は中国への渡航歴はないという。
イージス艦は、米国海軍が開発した最新型の対空ミサイル管制システムを装備した艦船。400キロ以内の距離にある200以上のミサイルや航空機を同時に探知し、速度や飛行コースを捕捉して撃ち落とすことが可能。海自は現在、5隻を保有している。
特別防衛秘密は、日米相互防衛援助協定などに基づき、米国から供与された装備品の(1)構造や性能(2)製作、保管、修理に関する技術(3)使用方法(4)品目、数量——が対象。特別防衛秘密を漏洩(ろうえい)した場合、10年以下の懲役と定められている。
弾道ミサイル防衛などの分野で日米両国は軍事に関する情報共有の流れを強めている。仮に2曹が特別防衛秘密を持ち出していた場合、日本側の情報管理のあり方に対し、米側から強い懸念が示されるのは必至だ。
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY200703300345.html