エレベーターの定期検査報告の流れ
国土交通省はこの67人の資格を26日付で失効させた。さらに、会社ぐるみの経歴詐称とみて、失効者が法定検査した両社の各約1300台の再点検を指示する。他社にも自主点検を指示する。
昇降機検査資格は、各エレベーターが毎年1回受ける法定検査の責任者に必要な資格。67人の経歴詐称は、1月下旬〜2月初め、国交省などに匿名の情報提供があり、資格者講習を行う日本建築設備・昇降機センターが本人や会社に聞き取り調査をして判明した。
資格者講習を受けるには、学歴に応じて2〜11年(00年度までは3〜15年)の実務経験が必要で、申込書には所属企業の責任者が実務経験を証明する欄がある。
両社の失効者は、入社年を実際よりも古く偽り、営業職なのに技術職を装うなどしていた。中には実務経験ゼロなのに、15年以上と虚偽申告した例もあった。調査には、「上司の指示だった」「自分は書いた覚えがない」などの証言が出ている。
正規の資格者と失効者を合わせた総数はシンドラー社が183人(うち退職者25人)、ハイン社が24人(同2人)。詐称の期間は、シンドラー社が前身の日本エレベーター工業時代も含む87〜03年度、ハイン社は01〜06年度に及んだ。
一方、死亡事故があった港区の公営マンションは、98年4月〜05年3月にシンドラー社が保守点検を請け負ったが、当時は制度上、自治体所有の建物は法定検査が不要だった。
http://www.asahi.com/national/update/0327/TKY200703270462.html