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2007年03月22日(木) 00時00分

6000円でゴルフ場売却「決して損してない」カラクリ…ZAKZAK

 長野県と同県小諸市などは、同市でゴルフ場を経営する第三セクター「浅間高原観光開発」(会長・芹沢勤市長)の株式(額面で4億1700万円)と貸付金の合計7億5200万円分を、管工機材販売業「渡辺パイプ」(東京)に、わずか6000円で譲渡する方針を決めた。県議会は12日に議案を可決。市議会も22日に可決する見通し。

 経営悪化で金融機関から追加融資が受けられなくなったためで、市は「ゴルフ場への税金投入は市民の理解を得られない」と判断。隣接する群馬県嬬恋村でスキー場を経営する渡辺パイプに再建を委ねることになった。

 格安での売却に見えるが、浅間高原観光開発は金融機関からの借入金など計約14億3000万円の債務を抱える。さらに市の試算では、ゴルフ場利用税交付金などでこれまでに計約4億3600万円の収入があったのに対し、市の出資金や貸付金は計3億6000万円で、市担当者は「長い目で見ると、決して損はしていない」と釈明している。

 小諸市によると、浅間高原観光開発は1989年にゴルフ場をオープン。ピークの93年度に売上高は7億7000万円を超えたが、周辺のゴルフ場との価格競争や利用客数の減少で収益が悪化。06年度で累積債務が約2億8700万円になる見通しになっていた。

ZAKZAK 2007/03/22

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007032240.html