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2007年03月22日(木) 00時00分

【三河】 リサイクルバンク廃止 豊橋市 旧型電化製品事故が“逆風” 東京新聞

 豊橋市は不要になった家庭用品の取引を仲介する「家庭用品リサイクルバンク事業」を3月末で廃止する。取引件数の減少が一因だが、旧型ストーブの事故などによって中古品への信頼感が揺らぐ中、「市として責任を持てない」との判断も働いた。

 同バンクは循環社会の推進を目的に1994年に開始した。譲りたい人が市に登録した品と、譲り受けを求める人の希望品が合致すると、市が連絡先を情報提供する仕組み。これまでに家具や電気製品、ベビー用品など約1000点の大部分が無償で取引された。

 事業が始まった94年度は、譲渡希望件数が358件、譲り受け希望件数は896件に上った。だが近年は市内にリサイクルショップの出店が相次いだことなどから、2005度の希望件数は譲渡109件、譲り受けは177件にまで落ち込んだ。

 また、昨年の電気用品安全法本格施行で、安全性が確認されたことを示すPSEマークのない電気製品の販売が禁止になったほか、松下電器産業製の旧型の石油温風機による中毒死事故も発覚。中古品に対し厳しい目が向けられたことも影響した。

 市安全生活課は「万一の場合、仲介した責任を行政がどうとればいいのか。廃止を惜しむ声もあったが、取引数も減っているので決めた」と説明している。

  (安田 功)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/ach/20070322/lcl_____ach_____007.shtml