記事登録
2007年03月22日(木) 11時27分

山形市議政調費却下分を再監査請求朝日新聞

 ∞オンブズ方針 精査来週にも

 山形市議の政務調査費問題で、市民オンブズマン県会議(佐藤欣哉、遠藤健一郎両代表)は21日、市監査委員が「要件を満たさない」と却下した約760件、約3100万円分について精査したうえで、来週中にも再び住民監査請求をする方針を固めた。監査で「不適切ではない」と棄却された506件の約956万円分については、市川昭男・山形市長を相手取って4月上旬にも住民訴訟を起こす。

 ○棄却分は来月にも提訴

 オンブズが住民監査請求をしたのは約1270件だった。住民監査請求は、監査を受けた事案については再び請求することはできない。

 だが、監査委員が「要件を満たさない」として議論をせずに却下した分について、オンブズは「実質審理には入っておらず、いわば門前払い。申し立て自体がなかったことになる」と解釈し、再び監査請求できると判断した。

 却下されたすべての事案を精査し、請求理由の変更、見直しを含めて検討。再度、監査請求をしたい考えだ。

 一方、監査委員に棄却された分については、議論がなされていることから再度の監査請求はできないと判断。市川市長を相手取った訴訟を起こすことにした。

 税金を不適切に使って市に損害を与えたとして、市長が市議に対して賠償請求するよう求める。山形地裁に提訴する方針だ。

 オンブズは1月、市議1人あたり年間168万円が交付された05年度の政務調査費
を「不適切な支出」「不適切な旅費」「検討を要する支出」に分け、38人の市議全員が一部に不適切な交付を受けたとして、住民監査請求をした。

 これを受けて監査委員は今月9日、オンブズが監査を求めた約1270件のうち、収入印紙と祝電2通についての2件、計1万1050円を「不適切」と判断。返還や精算を市議に求めるよう、市川市長に勧告した。対象となった2市議は、市長の求めに応じて、15日に収支報告書を訂正した。

 オンブズは、監査委員が指摘した不適切な支出が2件にとどまったことを「期待した結論とはほど遠い」と強く批判していた。

 市議会は、政調費の使途基準について04年と05年の各派代表者会で「政務調査費の取り扱い」を定めた。会議や研修での食料費は上限6千円とすることや、選挙活動費を対象外とすることなどを明記している。

 阿部喜之助・市議会議長は「全国の判例などから議論を重ねて決めた。情報公開についても、国や県に先がけて踏み込んだ」と説明する。

 オンブズ側は「会議などでの食料費は、茶菓子代の1千円程度が妥当」として、市議会のこうした基準にも疑問を投げかけていた。

 オンブズは、市長を相手取った住民訴訟で、裁判所が政務調査費の基準を示すことも期待している。

http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000000703220004