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2007年03月22日(木) 00時07分

タミフル服用後の飛び降り・転落の報告は15件 厚労省朝日新聞

 インフルエンザ治療薬「タミフル」の使用制限問題で、10代の患者が服用後、マンションから飛び降りるなどの異常行動が04年度以降、厚生労働省に計15件報告されていたことが21日わかった。15件のうち14件が男性、1件が女性だった。同省は飛び降り・転落事故について、これまで4件の死亡例と、使用制限のきっかけになった2件の計6件しか公表していなかった。

 同省は2月28日、愛知県蒲郡市、仙台市で転落死が相次いだことを受け、インフルエンザを発症した未成年者から、少なくとも2日間、目を離さないことなどの注意喚起をしている。事故を把握しながら発表しなかったことについて、同省は「注意喚起前の事故だったため」と説明している。死亡の4件に関しては、詳しい経緯を調査しているが、残りの11件は調べていないという。

 タミフル服用後の異常行動では04年2月、17歳の男性が道路に飛び出し、トラックにひかれ亡くなった事故もある。

 一方、厚労省は、服用と異常行動の関連性については否定的だ。同省の研究班(主任研究者=横田俊平・横浜市立大教授)は昨冬、患者約2800人を対象に調査を実施。患者の9割が服用していたが、異常行動の発生頻度は、飲んでいなかった患者が10.6%、服用者が11.9%で、統計学的な差はなかったことを根拠にしている。

 ただし、対象患者の8割が10歳未満だったこともあり、研究班はさらに1万人規模の調査を実施している。

http://www.asahi.com/life/update/0321/011.html