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2007年03月22日(木) 16時56分

【2007 統一選】東京都知事選 首都舵取り 桜下乱立産経新聞

 ■都庁前、駅頭で第一声 通勤客らに熱い思い

 統一地方選のトップを切って、13都道県の知事選が22日、告示された。安倍政権発足後、初の大規模選挙。注目の首都決戦では、現職、新人の候補12人が次々と名乗りを上げ、前回の5人を大きく上回った。3選を目指す現職に「改革派」「世界的建築家」らが挑む構図。予想された顔ぶれはさっそく都庁前や駅頭で第一声をあげた。五輪誘致、財政再建、格差問題…。直面する大きなテーマに、無党派層の心をどれだけつかめるか。4月8日の投票に向け、舌戦の火ぶたが切られた。

 共産党推薦の元足立区長、吉田万三氏(59)は午前9時半、東京・新宿のJR新宿駅西口で、「暮らしをしっかり守る都政を作りたいという思いで立候補した」と第一声、通勤途中のサラリーマンらに訴えた。

 吉田氏は「石原都政で暮らしの予算は大幅に削られた。五輪開催と言っているが、本音は大型開発を進めていくのが狙い。こんな税金の使い方は変えねばならない。庶民の代表としてがんばる」と熱弁をふるった。

 3選を目指す石原慎太郎氏(74)は午前11時すぎ、立川市のJR立川駅前で数千人の聴衆を前に第一声。「環状道路や横田基地(の軍民共用化)が実現すれば交通は便利になり、多摩地域は日本のシリコンバレーになる。必ずやります。力を貸してください」と訴えた。

 「都政の私物化」との批判には「思わぬ苦戦を強いられているが、結果をみてほしい」と排ガス規制など2期8年の実績を強調。五輪については「みんなで大きな夢をみたい」と呼びかけた。

 一方、元宮城県知事の浅野史郎氏(59)は“敵”の本丸ともいえる都庁前で第一声。200人を超える聴衆を前に「東京を立て直すために立ち上がった。ひとりひとりの力を信じよう」と拳に力を入れた。

 石原都政については、「言動も行動も傲慢(ごうまん)そのもの。もう4年続けたら後戻りできない」と激しく批判。福祉施策がライフワークであることを強調し、「大都会で孤独死はさせない。高齢者を地域で支えるための具体的な支援をすぐやります」と訴えた。

 また、建築家の黒川紀章氏(73)は午前9時すぎ、黒いスーツで現れ、都庁第2庁舎をバックに「都庁を半分、民間に売却する」と主張。近くでは浅野陣営が陣取っており、「浅野さんを抜き去って、四つ相撲で戦いたい」と牽制(けんせい)した。

 都庁は黒川氏の恩師、丹下健三氏の作品。黒川氏は都庁で第一声を上げた理由を「尊敬する丹下先生の力を得て、近い将来、都庁舎に入ってガラス張りの知事室をつくるというメッセージを伝えたかった」と語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070322-00000028-san-pol