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2007年03月22日(木) 08時00分

【2007統一選】大敗続き推薦候補 首都決戦 政党の誘いに「ノー」産経新聞

 22日に告示される13都道県知事選挙のうち、各政党とも夏の参院選に結びつく「首都決戦」と位置づけるのが東京都知事選だ。自民、民主両党とも「勝てる候補」を模索してきたが、立候補を表明した現職の石原慎太郎氏と、前宮城県知事の浅野史郎氏はともに、政党の推薦を固辞。対決型選挙を目指す政党側の思惑をよそに「個人戦」を展開しようとしている。背景には、最近の地方選挙で顕著になってきた有権者の政党離れがある。

 実は、過去4回の都知事選で、政党の推薦を得て出馬した候補は、いずれも大差で敗北している。最近でも、1月の宮崎県知事選で無所属の東国原(ひがしこくばる)英夫氏が自民推薦候補などを破り、地方選挙での「脱・政党」傾向を見せつけたばかり。

 こうした傾向に敏感に反応したのが石原氏。自民党は1月12日に石原氏に対する推薦を決定したが、石原氏は宮崎県知事選の直後、これを辞退する考えを表明。自民党も推薦を取り下げざるを得なかった。

 自民党は、過去2回の都知事選で圧倒的な人気を示した石原氏を「自民党の候補」と位置づけて勝利することで、夏の参院選への弾みにしたい考えだった。それだけに、石原氏を「事実上の推薦候補」(中川秀直幹事長)と強調するが、党内からは「自民党の推薦を正式に受けていたら石原氏は勝てなかった」(都選出国会議員)と弱気な声も漏れる。

 事情は民主党も同じだ。紆余(うよ)曲折を経て浅野氏の支援を決めたが、政党色を嫌う浅野氏の陣営からは、「選対には入らないでほしい」などと注文がつけられている。

 浅野氏は17日、鳩山由紀夫幹事長と並んで台東区長選の街頭演説に立った。だが、都知事選中でのそろい踏みについて記者団に聞かれると「ないと思います。選挙が始まれば私の選挙になるんで、私独自でやっていくということになると思う」とし、民主党とは一線を画す考えを示した。

 党側は、陣営からの要望に応じて党職員と秘書会の応援を出す程度にとどめる。都連所属国会議員については、「応援はする」というものの、具体的な行動は「どうやっていいのかよくわからない」(党幹部)というのが実態だ。

 東京都知事選には石原、浅野両氏のほか、元足立区長の吉田万三氏=共産党推薦、建築家の黒川紀章氏、タレントの桜金造氏、発明家のドクター・中松氏らが立候補を表明している。(田北真樹子、杉本康士)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070322-00000004-san-pol