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2007年03月22日(木) 00時00分

難関大不合格で自信喪失 20歳女性読売新聞

 20歳女性。進路のことで相談です。

 私は高校時代、学校になじめず不登校となり、別の学校に編入しました。そこでは、友だちや先生に恵まれ、昨年、1年遅れでしたが、卒業できました。失っていた自信を取り戻すことができました。

 その年、前の学校では考えてもみなかった大学受験にも挑戦しました。ただ、不登校で履修しなかった教科の学習が遅れ、失敗しました。とても悔しく、もう一度挑戦しようと、予備校に通いました。自分なりに努力しました。でも努力が足りなかったのか、今年の入試も全滅でした。情けなくて、涙も出ません。

 私が志望しているのは、超難関校です。母親は「他の大学も考えないと、いつまでも浪人だよ」と言います。父親は「せっかくここまで来たのだから、もう一年頑張ってみろ」と応援してくれます。

 もう一年勉強しても、また失敗してしまうのではと不安になります。年齢も気になります。取り戻した自信も失いそうです。(栃木・E子)

 お母さんの忠告に従うか、それとも、お父さんの激励にこたえるか、二者択一ですね。

 決めるのは、回答者の私でなく、お父さんお母さんでもなく、あなたです。

 人生には、こういう場合が、たびたびあります。あなたはその1回目の選択の場に立ったわけです。さあ、どうするか。

 だれもが、こうして決断を迫られたのです。だれもが、考えて考えぬいて、一つの答えを出したのです。間違った答えであったかも知れません。しかし、自分が決めたのですから、文句は言えない。正しい助言といっても無いのです。あなたのことを一番よく知っているのは、あなたご本人なのですから。

 努力が足りなかったなら、努力すればよい。勉強の量が少ないのなら、増やせばよい。できる限りの手を打って、挑戦してみる。それで失敗したなら、あなた自身も納得がいくはずです。要するに自分が得心するような形を作ること。私の助言は、それだけです。

 (出久根 達郎・作 家)

http://www.yomiuri.co.jp/jinsei/shinshin/20070322sy41.htm