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2007年03月22日(木) 11時13分

情報流出防止対応の最中に…  身内の犯行県警衝撃読売新聞

捜査資料窃盗容疑で警官逮捕

 県警上野原署員が捜査資料を保存していたUSBメモリー(コンピューター用外部記憶媒体)1個が、山梨日日新聞社に匿名で送りつけられた問題は、同じ署に勤務する同僚による窃盗事件という事態に発展した。県警を挙げて情報流出防止に努めていた最中の不祥事に、幹部らは衝撃を隠せない。21日に記者会見した三木邦彦警務部長は「極めて悪質で、県民の皆さまの警察に対する信頼を大きく損ねたことは極めて遺憾」と謝罪し、倫理教育の徹底を図る方針を明らかにした。

 この問題が明らかになる1週間前、県警では、甲府署地域課の男性巡査長(28)の私物パソコンから、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を通じて犯罪被害者ら610人分の個人情報を含む大量の捜査資料がインターネット上に流出。2週連続で起きた不祥事は、県警の情報管理体制の甘さを露呈し、幹部らは関係者への謝罪や、USBの使用を禁止するなど対応に追われた。

 21日に窃盗容疑で逮捕された上野原署地域課自動車警ら班巡査長の田中光司容疑者(49)が関与した疑いが浮上したのは、まさにその最中で、県警内には大きな動揺が広がった。ある県警幹部は「恥の上塗りになるとしても、うやむやに済ますわけにはいかなかった」と話す。

 田中容疑者は1977年に採用され、主に地域畑を歩いた。勤務態度に問題はなかったが、「積極的に仕事をして好成績を収める警察官ではなかった」(三木警務部長)という。上野原署には昨年3月に配属となり、被害者となった地域課の男性巡査長(25)とは、二人一組でパトロールに行くこともあった。

 メモリーには、数年前から昨年12月までに同署で取り扱った事件の資料計約1300件が保存され、被害者らの個人情報も含まれていた。資料が山梨日日新聞社以外の外部に流出した形跡はないという。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news001.htm