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2007年03月22日(木) 11時11分

海外のICカード払い 暗証番号で本人確認読売新聞

旅行行く前に確かめて

 海外でクレジットカードによる買い物をする際、暗証番号の入力を求められるケースが増えている。普及が進むIC(集積回路)チップ搭載カードでは、本人確認に暗証番号を利用しているからだ。春休みや黄金週間に海外旅行に行く前には、暗証番号を確認しておくことが勧められる。

 神奈川県の女性会社員(26)は昨年11月、ロンドンを観光旅行した際、洋服をICチップ付きカードで買おうとしたところ、店員に暗証番号の入力を求められた。「わからないと言うと、カードでの買い物を拒否された」と話す。

 従来は署名(サイン)で本人確認をするのが一般的だったが、カードを盗んだ人にまねられる恐れがあった。このため、ICカードの普及とともに、カードに登録した暗証番号で本人確認をするシステムに切り替える国が増えている。

 欧州やアジアの一部には、暗証番号がわからないと、カードでの買い物を拒否するところもある。カード会社に電話連絡しても、その場では番号を教えてもらえず、後日、郵送での通知となる。

 このため、カード会社では、海外旅行に出発する前に、暗証番号を確認するように呼びかけている。

 日本でも、大手カード会社のJCB(東京)で、グループカード約5900万枚の7〜8割がすでにIC化されるなど、ICカードが広がりつつある。

 それに伴い、暗証番号を読み取ることができるICカード対応の端末の設置も増えている。日本クレジットカード協会(東京)によると、国内での設置台数は38万5000台(今年2月時点)。全端末(128万台)の3割がIC対応となった。

 ICカードの場合は暗証番号の使用が原則。ただし、国内では今のところ、暗証番号がわからない人にはサインでの代用を認めている。実際に暗証番号を入力するのは現金自動預け払い機(ATM)での借り入れ時などに限られており、買い物だけにカードを使っていた人は番号を忘れていることが多い。

 JCBが昨年8月、カード会員に調査したところ、回答者1933人のうち、32・9%にあたる635人が暗証番号を覚えていなかった。

 日本クレジットカード協会の担当者は「いずれは海外と同様、国内でも暗証番号に一本化したい。安全な買い物のために、暗証番号はぜひ覚えてほしい」と呼びかける。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20070322mh12.htm