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2007年03月22日(木) 09時30分

NPOバンク、少額資産でも可 金融庁が法規制外す方針朝日新聞

 金融庁は21日、NPO(非営利法人)バンクを貸金業法(旧貸金業規制法)の純資産額(自己資本)の規制対象から除外する方針を固めた。悪質業者締め出しのため、09年末までに貸金業登録に必要な純資産額の下限を大幅に引き上げるが、NPOバンクの多くは小規模で登録できなくなる恐れがあった。例外に慎重だった同庁も「草の根」活動を評価する姿勢に転換した。

主なNPOバンク一覧

 具体的には、▽出資額を超える配当や残余財産の分配をしない▽役職員の報酬が高額でない、などの条件を検討しており、4月中にも政省令案で詳細を決める方針だ。

 NPOバンクは低利融資を手がける非営利団体だが、消費者金融と同じ貸金業法の規制対象だ。

 貸金業法は昨年12月に改正された。融資余力が少ない業者は高利の違法融資で稼ごうとする恐れがあるとして、法人で現行500万円の純資産額の下限を09年末をめどに5000万円に引き上げる。

 だが、9団体の中で条件を満たすのは4団体だけ。設立を検討中の団体も10前後あるが、「多くが廃業や設立断念に追い込まれる」との指摘が相次いでいた。全国NPOバンク連絡会のほか民主、共産両党なども、金融庁に対して適用除外を求めていた。

 農村の女性に無担保融資する「グラミン銀行」がノーベル平和賞を受賞するなど、マイクロクレジット(少額融資)への関心が高まっている。金融庁内でもNPOバンクを支援すべきだとの意見が強まり、例外規定を厳格に運用すれば違法行為は防げると判断した。

 信用情報機関への登録は義務付けられる見通し。貸金業協会への加入は、自主規制項目について当局の検査を受ければ免除される。

http://www.asahi.com/business/update/0322/056.html