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2007年03月21日(水) 06時54分

韓国「財界大統領」もつらいよ? 全経連会長、大手敬遠朝日新聞

 韓国財界を代表する団体、全国経済人連合会(全経連)の新会長に、「韓国財界きっての日本通」とされる趙錫来(チョ・ソクレ)・暁星グループ会長(71)が20日、選ばれた。趙氏は就任会見で「韓日自由貿易協定(FTA)を結び、韓国経済をさらに高い水準に導かなければいけない」と強調した。

 任期は2年。趙氏は早稲田大学理工学部卒。日本語を流暢(りゅうちょう)に話し、韓日経済協会会長を務める。米国留学の経験もあり、韓米財界会議の韓国側委員長として米国人脈も豊富だ。

 ただ、出身企業の暁星は繊維や化学中心で、資産総額は財閥26位と中堅クラス。このため、「財界大統領」とも呼ばれる全経連会長には大手トップが就くべきだ、との声もあった。しかし、影響力が落ちた全経連にサムスンや現代などの有力企業は利点を感じなくなり、今年末の大統領選を見極めたいとの政治的な思惑も働いて会長選出を避ける動きがあり、選出まで混乱を極めた。

 趙氏の就任会見では「影響力をどう回復するか」といった厳しい質問が飛んだ。会場を出る際、日本人記者が「おめでとうございます」と声をかけると、趙氏は日本語で「そんなもんじゃないよ」と答えた。

http://www.asahi.com/international/update/0321/004.html