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2007年03月21日(水) 03時09分

6者協議、首席代表者会合開けず 凍結資金返還急ぐ朝日新聞

 北朝鮮の核問題をめぐる6者協議は2日目の20日、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)に凍結されている資金約2500万ドル(約29億円)の返還が完了していないとして北朝鮮が態度を硬化させ、午後に予定していた首席代表者会合は開かれなかった。関係筋によると、資金は早ければ21日にも返還される見通しで、協議が正常化するとの見方が強まっている。

 マカオ政府筋は朝日新聞の取材に対し、「金融管理局が急いで処理している。口座の数が多すぎるのでどんなに早くても明日になる。ただ北京の事態を踏まえ、特例的な措置で大急ぎで作業にあたっている」と述べ、BDAの北朝鮮関連資金を、中国銀行にある北朝鮮の口座に移す作業が進んでいることを明らかにした。

 また、韓国政府筋によると、ヒル米国務次官補と北朝鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官の両首席代表が20日夕、今回の協議で初めて会談した。BDAの資金問題や2月の6者協議の合意事項を履行する意思について話し合ったとみられる。

 金次官は、ヒル氏のほか、ロシアのロシュコフ外務次官とも二国間会談をした。ロシュコフ次官は金次官との会談後、「北朝鮮は米国が定められた期限に責務を果たさなかったとみている。だから、自分たちの(核放棄に向けた)責務をある程度遅らせる権利があるとの言い分だ」と語った。ヒル氏は前回6者協議最終日の2月13日、BDA問題は「30日以内」に解決するとの見通しを示しており、今後の局面で北朝鮮側が、この手続きの遅れを利用する恐れを指摘した。

 また、金次官と接触した韓国当局者によると、金次官はBDA問題について「うまくいくだろう。今日はいい夢をみないといけない」と語ったという。

 一方、議長国の中国は今回の日程を3日以内としていたが、中国外務省の劉建超・報道局長は20日の定例記者会見で「終了日を確定するのは非常に困難だ。協議の進行やその時々の必要に応じて決定する」と語った。

http://www.asahi.com/international/update/0321/001.html