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2007年03月21日(水) 20時53分

警察官が携帯店で怒鳴り「営業妨害」、同僚も肩持つ読売新聞

 私服の警察官が携帯電話販売店を訪れ、電話機の無償交換を求めた際、店員をどなるなどして約8時間にわたり居座った上、通報で駆けつけた同僚も、顔見知りの警察官の身元を隠そうとしていたことが21日、分かった。

 警察官は、北海道警釧路署の男性署員(32)。同署幹部は店に謝罪したが、「事実は把握しているが、調査中」として氏名などを公表していない。

 この署員が居座った釧路市内の携帯電話販売店の経営者(32)によると、署員は18日午前11時ごろ、私服で来店し、「電池の持ちが悪い。新品に交換しろ」とどなった。署員はいったん引き揚げ、午後2時半ごろ、再び来店したが、携帯電話に保存していた写真などのデータを移すことができなかったことから、「まだできないのか」などと激高。さらに声を荒らげたため、他の客は帰ってしまったという。

 このため、店側は夜になって近くの交番に通報。警官3人が駆けつけたが、うち2人は署員の肩を触るなど親しそうに話したため、不審に思った経営者が署員に「警察官ですか」と聞いたが、「違う」ととぼけられ、別の2人も「初めて会った」と答えた。それでも経営者が食い下がると、警官の1人は「(信用してもらえず)こんなに悔しい思いをしたのは初めて」などと憤慨してみせ、初対面を装ったという。

 経営者は交番での事情聴取を求めたが、拒否されたため、同署に再度通報。午後9時半ごろ、駆け付けた別の警官が、署員が交番勤務の警察官であることを認め、「(最初に駆け付けた警察官は)かばおうとしたと思う」などと話した。

 経営者は「(卒業シーズンで)最も売り上げがある時期なのに見込みの半分以下で営業妨害を受けた」として被害届を出す予定。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070321i313.htm