同省によると、同機は午前十一時五十四分に天草空港を離陸。着陸に向けて降下中、主脚二本と前輪を油圧装置で下ろそうとしたが作動しなかったという。
同機は、胴体着陸した全日空機と同じDHC8の双発プロペラ機で一回り小さい。国交省が前輪部分の緊急点検を指示した対象機の一つで、天草エアラインは十三日に目視検査と作動点検を実施。異常がないことを確認し、十四日から通常運航していた。
着陸後に油圧装置などを制御する電子機器を交換したところ、正常に車輪が出たといい、国交省は、脱落したボルトが干渉して格納庫の開閉扉が作動しなかった全日空機の事故とは原因が異なるとみている。
同省は相次ぐトラブルを受け、運航に影響のなかったケースも含め、近くボンバル機の不具合について航空各社に報告を求めることにした。
天草エアラインによると、今回トラブルがあった機は二〇〇四年一月十日、飛行中に右側主脚システムの作動油が抜け、手動操作で前脚と主脚を出して熊本空港に着陸するトラブルを起こしている。
天草エアラインは、熊本県などが出資する第三セクターとして一九九八年に設立。今回トラブルが起きた一機のみを保有し、天草−福岡、熊本と熊本−松山の計三路線を運航している。
ボンバル社によると、今回の機種を含む「DHC8−100」シリーズが胴体着陸した事故は、世界各国で八七年から昨年にかけて五件起き、いずれも前輪が下りない状態だった。天草エアラインの東坂力社長は熊本県庁で記者会見し、「皆さまに大変ご心配をお掛けし申し訳ありませんでした」と陳謝した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070321/mng_____sya_____008.shtml