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2007年03月21日(水) 00時00分

10代へのタミフル中止 製薬会社へ指示 東京新聞

 厚生労働省は二十日、インフルエンザ治療薬「タミフル」を服用した十二歳の少年二人が二階から転落した事故が、先月から今月にかけて二件あったと発表した。二人とも命に別条はないが、骨折した。事態を重視した厚労省は同日、輸入販売元の中外製薬に対し、原則として十歳以上の未成年者への使用を差し控えるよう添付文書の改訂を求めるとともに、緊急安全性情報を出すよう指示した。同省が同情報を指示したのは二〇〇四年以来三年ぶり。

 厚労省によると、二人のうち一人は十九日にインフルエンザB型と診断され、タミフルを服用。同日午後十一時半ごろ、一階で寝ていたが、約三十分後に突然二階に駆け上がったため、母親が連れ戻した。その後、再び二階に駆け上がり、母親が追いかけたが間に合わずベランダから飛び降り、右足を骨折した。「飛び降りた時の記憶はない」と話しているという。

 もう一人は先月七日にインフルエンザB型と診断され、タミフルを服用。翌八日午前二時ごろ、はだしで外に出て約五十メートル先の駐車場に向かって走りだした。父親が自宅に入れたが、そのまま二階に走っていき、窓を開けて飛び降り、右ひざを骨折した。

 入院後、突然笑いだすなどの症状が見られたという。

 タミフルをめぐっては、愛知県と仙台市で先月、服用したとみられる中学生がマンションから転落死している。

 厚労省は、同省研究班(主任研究者・横田俊平横浜市立大教授)が、昨年十月にまとめた調査結果を基に、因果関係に否定的な立場を取り、これまで注意喚起にとどめていた。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070321/mng_____sya_____006.shtml