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2007年03月21日(水) 00時00分

火災保険料取り過ぎ 調査結果発表 東京新聞

 損害保険各社が契約者から割高な火災保険料を取り過ぎていた問題で、三井住友海上火災保険は二十日、八千八百五十五件(約八億四千万円)に上る取り過ぎが判明したと発表した。他の損保は今月末、調査結果を金融庁に報告する予定で、業界全体では数万件に上る見通し。自動車保険など保険金の「不払い問題」で揺らいだ損保業界の信頼は、「取り過ぎ問題」の本格化でさらに失墜するのは必至だ。

 保険料の取り過ぎは、耐火性の高いツーバイフォー(壁組み工法)の割引が適用漏れとなったことなどが原因。記者会見した三井住友海上の江頭敏明社長は、「割引など商品が複雑怪奇になり、社員や代理店の教育も不十分だった」と分析。商品の簡素化などを図る考えを示した。取り過ぎた保険料は顧客に順次返金を進めている。

 金融庁は昨年十二月、損保各社に取り過ぎの実態調査を指示。各社は社内資料で調査できるケースを三月末までに報告し、それ以外のケースは今後一年間、契約の更新時にチェックする方針。

 一方、三井住友海上は、金融庁から命じられていた三度目となる自動車保険の不払い調査の結果も公表。不払いは昨年九月末より四千七百七十件(約二十一億二千万円)増え、計五万千四百八十六件(計約五十四億三千万円)となった。

 自動車保険については、複数の損保が保険金の支払いにかかわるケースを対象に加え、各社が調査を実施中。三井住友海上は二月十五日に報告済みで、実際の支払いがほぼ終了するのを待って結果を公表した。他の大手五社は四月末までに結果を報告する。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20070321/mng_____kei_____002.shtml