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2007年03月20日(火) 00時00分

馬と人のセット埴輪が出土 阪大構内の墳墓朝日新聞

 大阪大学豊中キャンパス(大阪府豊中市待兼山(まちかねやま)町)構内にある待兼山5号墳(5世紀後半)から、馬と、馬をひく人間をかたどった埴輪(はにわ)の破片が出土し、同大学埋蔵文化財調査委員会が20日、発表した。馬と人間の埴輪がセットで見つかる例は珍しいという。同委は「当時の祭祀(さいし)のありようを考える上で有用」としている。

 待兼山5号墳は直径約15メートルの円墳。05年から06年にかけての発掘調査で、馬形埴輪と馬曳人(うまひきびと)形埴輪の破片が、円墳外溝の半径約5メートルの範囲で大量に出土した。その中に、馬をひく人物の左手部分や馬の鞍(くら)にあたる部分なども含まれていた。

 同委は、部位が特定された数十の破片をもとに復元。馬形埴輪は高さ約78センチ、馬曳人形埴輪は高さ約65センチあると推定した。出土した破片は全体の2割程度という。

 奈良県立橿原考古学研究所付属博物館の千賀久主幹は「5世紀後半は、馬形埴輪が全国に普及し始めた時期。地域の豪族が自らの墳墓を特徴づけるため配置したとも考えられる」と話す。

http://www.asahi.com/culture/news_culture/OSK200703200076.html