運慶作と確認された大威徳明王坐像
同文庫によると、像は高さは21.1センチの小像。同区の称名寺で長く埋もれてきたが、1998年から同文庫が保管。傷みが激しく昨年、解体修理を始めた。今年になって像内に納めてあった文書を開封したところ、奥書に「源氏大弐殿(だいにどの)」が運慶に発注したという記載を見つけた。また、鎌倉時代の彫刻に詳しい水野敬三郎・東京芸術大名誉教授らが作風からも運慶作と確認した。
像は破損個所が多いが、当初は6手・6足で水牛に乗る姿だったとみられる。手足のほとんどと水牛座は損失。体は運慶作らしく引き締まった姿で、晩年の特徴である端正さも併せもっている。
源氏大弐殿は、源頼家・実朝の養育係とみられ、歴史書「吾妻鏡」にも登場。奈良・京都で活動した運慶と鎌倉幕府の関係の深さを物語る証拠ともなる。像は4月19日から同文庫で公開予定。
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