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2007年03月20日(火) 19時31分

【キーボード編】タッチパネル式やスキャナ付などアイデア商品が多数登場impress Watch

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 PCのユーザーインタフェースがCUIであったころから利用されていて、コンサバティブなデバイスという印象もあるキーボード。だが、ベンダーのアイデア次第で可能性が広がる、非常に興味深いアイテムだ。

 ここ数年では、ロシアのArt.Lebedevによるキートップに有機LEDを用いたキーボードが話題をさらっている。同社は今回のCeBITにも参加しており、新モデルの展示が期待されたが、残念ながらそれは叶わなかった。とはいえ、それ以外にもCeBIT会場内にはユニークなキーボードが数多く展示されているので、ここで紹介したい。

●どちらも平面に入力する、光学式キーボードとタッチパネルキーボード

 日本にも登場した、机上にキーボードのレイアウトを投影して入力できるようにするバーチャルキーボードの存在を覚えておられるも多いだろう。これは、投影したレイアウトのどの位置に触れたかをセンサーを用いて判断する技術を用いた製品だ。この技術を応用した製品をLumioが展示していた。「CleanBoard」「Crystal Touch」などの製品で、以前のバーチャルキーボードに利用されていたものから、さらにセンサーモジュールを小型化したことで実現された製品だという。

 CleanBoardは、従来は投影していたキーボードを通常のキーボード風の製品としたもの。一見退化したようにも感じられるが、タッチパネル機能が付いた点は機能強化といえる。また、キーのレイアウトはカスタマイズが可能で、OEM先に応じてアレンジするという。

 Crystal Touchはキーボードではなく、このセンサーを利用してディスプレイをタッチパネル化したもの。ディスプレイやスクリーンの上部にモジュールが付いており、これを応用すればあらゆるディスプレイがタッチパネル化できるとしている。また、ディスプレイの前面にタッチセンサーを挟む必要がないので、ディスプレイの輝度などを落とさないのもメリット。いずれも出荷できる状態にあり、OEM向けに売り込みを開始している。

 このほか、平面に入力するキーボードとしては、感圧式のタッチセンサーを利用したキーボードが2製品展示されていた。1つはAmexが展示した「TSL-VX7」で、無線を利用したワイヤレスキーボード。アプリケーションキーも豊富に設けられ、Media Centerボタンも用意されているほどだが、それらは通常のスイッチになっている。6月の発売が予定されており、35ドル前後になりそうとのこと。

 もう1つは産業用途もにらんだ製品で、Shenzhen Jing JIA Electronic Technologyが展示したもの。OEM向けのみとのことで実際の製品化の目処は不明だが、こちらはアプリケーションキーも含めてタッチセンサーを利用。Bluetoothを用いたワイヤレス方式で、電力は電池のほかに太陽電池からも供給される。

 太陽電池を搭載したキーボードはGenius Technologyからも展示されている。基本的には室内で使うことが多いであろうキーボードであるが、乾電池以外から電力を供給するための補助電力として利用され始めているのが印象的だ。

●キーボードとドキュメントスキャナを一体化

 iONEが展示した「Sagitta-Q2」は、シートフィーダースキャナをキーボードに搭載した製品。スキャナはCIS方式で、解像度は600dpi。48bitカラーに対応する。取り込み用のホットキーを実装しており、ドライバと連携して、取り込んだあとにメールに添付したりできるという。

 TWAIN/WIAに対応していることからアプリケーションとの親和性が高いのも便利で、典型的なニコイチ型の製品ながら機能面は意外に充実している印象だ。すでに出荷できる状態になっており、リテールの参考価格は130ドル。

 また同社のブースでは、マウスパッド一体型キーボードのモックアップも展示された。キーボード部分のみが180度回転するようにすることで、マウスをキーボードの左側に置く人でも利用できるのが売りとか。このマウスパッド部は未使用時に折りたたんで置くことができ、無線のUSB受信ユニットを収納するスペースも設けられている。製品化の時期は数カ月後。

●テンキーのレイアウトに工夫を凝らしたキーボードほか

 コンパクトキーボードは机上のスペースを節約したい人に人気を集めるが、一方でテンキーがないと駄目という人も多いだろう。その両方のニーズを満たせるような製品をフランスのAKORが展示した。

 約330×160mmのサイズで幅が少し広いA4用紙といった程度のサイズだが、右下に色分けされてテンキーが配置されている。その付近に通常配置される記号などのキーは、行を1つ増やして対処している。厚みも最厚部24mm、最薄部15mmとなっており、非常にコンパクトな印象を受ける。

 すでに何カ国かのディストリビューターを確保できているが、日本はまだ決定していないといい、日本語版が発売されるかは未定。価格はUSB接続版が20ユーロ、ワイヤレス版が40ユーロ程度。

 ENERMAXが展示した「CAESAR」は、“世界で初めてのメッシュキーボード”を謳うキーボード。その文句どおりパームレスト部などキーボード周辺にメッシュ状のパネルを用いているのが特徴で、長い時間利用する人には使い心地が良いとしている。音声入出力端子を持っているが、これはUSB接続スピーカーと同じ仕組みで、キーボード利用のためのUSBケーブルだけ接続すれば音声のやり取りも行なえる。

 ただ、写真からもお分かりいただけるとおり、メッシュパネルがあるためにかなり大型のキーボードである。日本での発売についても、この大きさがネックになるそうで「日本では大型のキーボードは人気がないから出荷されないと思う」としている。

●ゲーマー向けキーボードも数多く展示されるCeBIT会場

 CeBITは日本以上にPCゲームのユーザーが多いヨーロッパで開催される展示会だけに、PCゲーマー向けのイベントが多いのも特徴だ。もちろん、ゲーマーを意識した展示品も多く、ゲーム用キーボード/キーパッドもバリエーションに富んでいる。

 A4TECHが今年第1四半期中の発売を目指しているという「G800」と「G700」は、キーリピートを4段階に切り替えるスイッチを特徴としている。このスイッチはカーソルのみに適用されるものと、全キーに適用されるものの2種類が設けられており、LEDの色によってリピート速度を判別できる。また、上位モデルのG800には、ドライバ上でキーコンビネーションを15種類登録できるカスタムキー機能が用意されている。また、両製品ともカーソルの役割をする4個のキーはラバーコーティングが施されており、激しい操作をしても滑りにくいという。

 REVOLTECが展示した「FIGHTPAD ADVANCED」もゲーマー向けキーパッドで、こちらは37個のキーを搭載。巨大なパームレストと曲線的な形状が特徴で、中央に配置されたカーソルキーのレイアウトも独特だ。発売は6月が予定されている。価格や日本への出荷に関しては未定。

 GIGABYTEが製品化を検討しているというゲーマー向けキーボード「GK-K8000」は、同社にとって初めてとなるメカニカルキーボード。キートップにCherryのMXキースイッチを採用しているというが、キーアクションの種類はブーススタッフに聞いても確認できなかった。

 600万回の押下に耐えるという耐久性からゲーマー向けという位置付けになってはいるものの、見た目はいたって普通のキーボードで、激しいキー操作に耐えられるよう重みもある。通常の文字入力用キーボードとしても使い勝手が良さそうで製品化が期待される。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070320-00000026-imp-sci