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2007年03月20日(火) 22時14分

獣医師試験漏えい、麻布大の2教授が関与読売新聞

 獣医師国家試験の漏えい問題で、農林水産省は20日、麻布大学(神奈川県相模原市)の教授2人が、漏えいに関与した可能性が高いと発表した。

 同大の学生を通じて東大生に伝わっていたことも判明。同省の調査検討委員会は、獣医師法違反などにあたる可能性があるとみて、詳しい事実関係を調べている。

 今月1、2日に行われた国家試験のうち、生化学分野などの5問について、麻布大と東大の受験生の正答率が不自然に高かったため、同省が両大学に調査を求めていた。

 農水省などによると、問題を作る獣医事審議会の専門委員を務める麻布大獣医学部の西田利穂教授(53)(生理学)が昨年6月、同じ学部の鈴木嘉彦教授(59)(生化学)に生化学分野の問題の作成を相談。鈴木教授は10問を西田教授に渡したあと、同10月の授業でこの問題を学生100人余りに口述筆記させた。西田教授は鈴木教授の問題案をほぼそのまま獣医事審議会に提出した。

 一方、東大の報告書では、試験直前の2月27日、東大の学生が麻布大の学生から、10問の情報を入手。この東大の学生は、同じ大学の受験生だけが閲覧できるインターネット上の画面に「緊急情報」として10問を掲載したとしている。

 今回の試験の合格者は1059人(合格率85%)で、うち麻布大は131人(92%)、東大は28人(93%)だった。

 麻布大の政岡俊夫学長らは20日夜、大学本部で記者会見し、「倫理的にも社会道義的にもあってはならないことが起き、関係者に多大な迷惑をおかけし申し訳ない」と謝罪した。

 教授2人は漏えいの事実を認め、自宅謹慎している。麻布大は今後、教授らの処分を決めるという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070320i315.htm?from=main3