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2007年03月20日(火) 17時00分

宮崎駿監督、手描き新作で「息子には負けない!!」夕刊フジ

 アニメ界の巨匠、宮崎駿氏(66)が「ハウルの動く城」以来4年ぶりに監督を務める新作「崖の上のポニョ」(2008年、夏公開予定)が19日、配給元の東宝で発表された。父親の反対を押し切ってジブリ映画「ゲド戦記」を製作した息子・吾朗氏(40)を迎え撃つ構えだ。

 「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「もののけ姫」などの名作を世に送り、01年には「千と千尋の神隠し」で興行収入304億、観客動員数2350万人と日本記録を打ち立てた宮崎監督。今作は、原点に立ち返り、CGなしの“手描き”で挑む。

 その製作過程をプロデューサーの鈴木敏夫氏(58)がこう明かす。「これまではいかに動きを細かく表現し、背景を緻密に描くかということを重視してきた。しかし今回はアニメーションの本来の楽しさは単純な動きにあるはずと考え、アニメの原点に戻り、子どもが描いたような新しいタイプの絵で、作品作りをしている」

 その分、手間が掛かるのは覚悟の上だ。「絵コンテにあまりに時間をかけすぎているために、ストーリーがまだ半分しか出来上がっていない。手描きでいかに海や波を表現するかが大きなテーマですね」(鈴木氏)

 物語は、人間になりたいと願う金魚姫ポニョと5歳の男の子、宗介の触れあいを描く、いわば“ジブリ版人魚姫”。舞台となる瀬戸内海のとある町は、監督が社員旅行でたまたま訪れた場所だが、その町の美しさに魅せられ、創作意欲をかきたてられたという。

 そして、主人公、宗介のモデルは、何と息子の吾朗氏。宮崎監督は息子に対しこう挑発しているという。「オレの領域に土足で入ってきたのは嫌みだろうか、きっと吾朗が5歳のときに、自分が仕事にかまけていたのがいけなかったんだ。吾朗のような子を作らないためにこの作品を書こう」

 アニメ界の雌雄を決する“父子対決”に注目だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070320-00000000-ykf-ent