記事登録
2007年03月20日(火) 00時00分

 「長老」に反発保守乱立 都議補選・江東朝日新聞

 江東区長選への立候補に向けて、自民党の山崎孝明都議(63)が19日に辞職、江東区選挙区の都議補選が来月行われることが確実になった。同選挙区の自民党公認を巡っては、すでに引退を表明し、山崎氏の後任調整にあたったベテラン区議が最終的に選ばれた。これに若手2人が反発、共に離党届を出し、無所属で立候補を表明するといった「保守乱立」の様相を呈している。(長沢美津子)

 自民党系で立候補を表明しているのは、区議を通算44年間務めた米沢正和氏(79)、区議2期目の鈴木清人氏(51)、元衆院議員秘書の関宏毅氏(41)の3人。

 年明けに山崎都議が区長選への意思を発表したのを受け、党総支部で後任者を募ることにした。鈴木氏、関氏に1人の区議を加えた3人が手を挙げ、米沢氏は当初、調整役に回ったという。

 自ら立候補する経緯について、米沢氏は「若手で何度か話し合ってもらったが結論が出なかった。2年後の都議選まで、即戦力になってほしい、という内部の声に推された」と説明する。

 4人から公認を絞るにあたり、総支部は8人による選考委員会を設置。「選考方法も含めて委員に一任し、漏れた人は応援に回る」という誓約書を全員で書いた。その結果、2月上旬に発表されたのが米沢氏だった。

 「波乱」の始まりは2月の党総支部の決起大会だ。ある区議が壇に上がり、「投票結果を発表しない選考は不透明」と異議を申し立てた。この区議は「若手に譲るべきだ。最後は3人のくじ引きでよかった」と話す。

 この大会で「党の除名覚悟で立候補を決めた」と語るのが鈴木氏だ。3月上旬に開いた支援者との会合で「密室での選考で納得できない」と党支部を批判。「政治信念は保守本流で変わることはない」としつつ、無所属での立候補の意思を話した。「区民の選択肢が、80歳の自民と共産だけでいいのか」と鈴木氏。

 関氏も今月8日、支援者との集会で立候補を表明した。関氏は党総支部長の衆院議員木村勉氏の政策秘書を務め、木村氏の娘婿にあたる。世襲批判も承知の上で「人口増で発展を続ける江東にふさわしい代表者を選ぶべきだ」。19日夜の会見では、米沢氏の公認について「民意から遠い。自分は党派を超えた受け皿になりたい」と話した。

 今回の乱立について、山崎氏は都議の辞職会見後、「党員としてのルールを無視したやり方は残念。総支部として全力で米沢氏を支援する姿勢は変わらない」と話した。

 同選挙区の都議補選には、共産党から元都議の東巨剛氏(70)も、立候補を表明している。

■都議補選江東区選挙区 予想顔ぶれ(19日現在)

米沢 正和氏(79) 自民  江東区議
鈴木 清人氏(51) 無所属 江東区議
関 宏毅氏(41)  無所属 元衆院議員秘書
東 巨剛氏(70)  共産  党地区委員

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000703200001