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2007年03月20日(火) 22時43分

「誤操作で歯止めが外れる」保安院答弁 構造に触れず朝日新聞

 国内の原子力発電所で原子炉の制御棒脱落が相次いでいる問題で、経済産業省原子力安全・保安院の広瀬研吉院長は20日、脱落の原因について、参院経済産業委員会で「誤操作によって制御棒の歯止めが外れ、引き抜かれた」と述べ、制御棒の構造上に問題はないとの見方を示した。

 制御棒を動かす装置には、位置を決める爪(つめ)(コレットフィンガ)がある。この爪は、動かす必要がないときに、制御棒が落ちないように脱落防止用の歯止めとしての役割も担っている。

 ただ、制御棒を引き抜こうとする際に、一定以上の水圧が加われば、爪が外れて動かせる仕組みになっている。

 保安院は、今回の一連の事故・トラブルは、水圧を逃す弁の操作を誤ったことで、一定以上の水圧が制御棒を引き抜く方向に加わってしまい、制御棒の脱落につながったとみている。ただ、当時の操作状況や、機器の不具合が本当になかったか、今後、詳細に確認していくことになる。

http://www.asahi.com/national/update/0320/TKY200703200463.html