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2007年03月20日(火) 22時19分

ボンバル機、予想外の「全車輪出ず」 天草エア会見朝日新聞

 また車輪のトラブルが起きた。高知空港で起きた全日空機の胴体着陸から1週間。熊本空港で20日、3カ所の全車輪が出なかった機体も、やはりボンバルディア社製だった。会見した天草エアラインの東坂力社長は「高知の事故を受けて安全を確認していたので、全く予想していなかった」と驚きの表情を浮かべた。

 熊本県庁で会見した東坂社長は「公共交通機関として、安心して乗ってもらうことが使命。心配をかけて申しわけありません」と謝罪した。同機を使う熊本—天草と熊本—松山往復の計3便で運航を取りやめたが、21日も天草—福岡の2往復が欠航する。

 高知空港で事故が起きた13日、同社は国土交通省から前輪が正常に動くかどうかの緊急点検を求める「耐空性改善通報」を受け、二つの主輪も含めて異状がないことを確認したという。

 同社によると、トラブルが起きたDHC8—100型は99年製で、1機を所有。00年3月からの飛行時間は1万1067時間。20日は飛行時間2万時間を超える男性機長(64)が乗務していた。手動操作で車輪を出した際や着陸後に機内放送はなかった。

 機内には、同社の神作孝総務部長ら社員2人も乗っていた。神作部長は旋回前に窓の外を見て車輪が出ていないような気がしたが、旋回後は出ていたという。「異状が起きたとは考えなかった」

 天草エアラインは98年10月、熊本県や市町などが出資する第三セクターとして設立。天草—熊本、福岡と熊本—松山の3路線を1機で運航している。

http://www.asahi.com/national/update/0320/SEB200703200013.html