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2007年03月20日(火) 21時48分

災害復旧の補助金不正受給、総額6億円に 兵庫県発表朝日新聞

 兵庫県洲本市などが04年の台風23号による農業災害復旧工事の補助金を国から不正受給していた問題で、兵庫県は関係自治体の調査を終え、20日、結果を発表した。新たに淡路市で6481万円、南あわじ市で2018万円の不正受給が明らかになり、洲本市(4億7553万円)、豊岡市(4937万円)とあわせた不正受給総額は約6億1000万円となった。4市が補助金適正化法に違反するとして国に返還する額は計約1億4500万円となる。

 同県は不正受給発覚後の昨年11月から調査していた。不正受給があったのは、農道やため池など農業施設の災害復旧工事などで、いずれも工事が完了していないのに完了したように偽り、補助金を全額受け取っていた。

 返還額は、洲本市1億4256万円▽豊岡市126万円▽淡路市94万円▽南あわじ市29万円。農林水産省は「未曽有の激甚災害だったため工事件数が膨大だったうえ、山間などが多く工事が困難だった」として、返還額を事務経費など一部にとどめた。

 洲本市の柳実郎市長と淡路市の門康彦市長、南あわじ市の中田勝久市長は20日、洲本市内の県の施設でそろって記者会見し、「誠に申し訳ない。再発防止に努める」などと謝罪した。

 ともに会見した兵庫県の上田茂・淡路県民局長は、「結果として不正をチェックできなかったことは反省している。今後は検査態勢を確立したい」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0320/OSK200703200074.html