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2007年03月20日(火) 21時20分

信越化学で工場爆発、17人けが 新潟県上越市朝日新聞

 20日午後4時20分ごろ、新潟県上越市頸城区西福島の化学製品メーカー「信越化学工業」直江津工場(桐祗崇(きり・よしたか)工場長)にあるセルロース製造工場で爆発があった。鉄骨4階建ての同工場(約9600平方メートル)は屋根や壁が吹き飛んだうえ、全焼。従業員ら17人がけがをし、そのうち吉崎保夫さん(43)=同市柿崎区直海浜=と白砂浩之さん(45)=同市新光町3丁目=、斎藤成治さん(50)=同市東城町3丁目=の3人が全身やけどなどで重体、4人が重傷。

激しく煙をあげて燃えるセルロース製造工場=上越市頸城区西福島の信越化学工業直江津工場内で

 上越署などによると、同工場は敷地内の北東部にあり、建築資材に使うセルロースを製造している。同署などは、高圧ガスや危険物を含む各種薬品を天然パルプと反応させ、メチルセルロースを製造する過程で爆発が起きたとみて調べている。

 爆発当時、建物内では約20人が梱包(こんぽう)などの作業をしていたという。

 午後11時前、同工場で記者会見した東京本社の幅田紀一・環境保安担当常務は「17人もの人にけがをさせ申し訳ない」と謝罪したうえで、「爆発の規模から見て、高圧ガスが漏れて、何らかの着火源に引火した可能性が高い。生産設備には自信を持っていたが、抜本的な対策を取りたい」と述べた。

 直江津工場は、従業員約1000人。辺りはプラスチックが焼けるような異臭が立ちこめ、周辺の住宅に煙が流れ込むなどして、付近は一時騒然となった。上越市などは半径100メートル以内の住民に避難を呼び掛けた。

 工場敷地内の別の建物にいた男性作業員は避難後、「建物が持ち上がるかのような衝撃があり、近くにいた人が跳ね飛ばされた」。工場の塀の脇に住む女性(27)は「ドーンという音を聞いて地震かと思い、外に飛び出した」と話していた。

 直江津工場では、73年にも塩化ビニル製造部門で爆発が起き、従業員1人が死亡。97年にはシリコーン製造施設の爆発事故が起きている。

http://www.asahi.com/national/update/0320/TKY200703200397.html