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2007年03月20日(火) 11時38分

パチンコ出店、児童公園作り「妨害」 最高裁が認める朝日新聞

 札幌市のパチンコ店業者が「北海道稚内市に出店しようとしたら、地元業者が公園をつくって土地ごと寄付し、児童遊園が新設されたため、風俗営業法に抵触して営業許可を受けられなかった」として、地元業者らに損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が20日、あった。最高裁第三小法廷(藤田宙靖(ときやす)裁判長)は「寄付は開業妨害で、許される自由競争の範囲を逸脱し違法だ」として二審・札幌高裁判決を破棄。損害額などをさらに審理させるために同高裁に差し戻した。

 訴えていたのは、パチンコ店経営会社「合田観光商事」(札幌市)。訴えられていたのは、稚内市のパチンコ業者らと、寄付された土地に児童遊園を新設した社会福祉法人「稚内木馬館」。

 第三小法廷は、合田観光が同市内に土地を取得した時点で出店計画は実行段階に入ったと判断。それを知って地元業者が土地を寄付したことは「自らの営業利益の確保のために風営法の規制を利用した」と指摘した。

 判決によると、合田観光が99年4月、出店予定地を取得したところ、地元業者がその近くに公園をつくり、木馬館に土地ごと寄贈。木馬館は児童遊園として認可するよう知事に申請し、同7月に認められた。北海道では予定地の周囲100メートル以内に児童遊園が設置されている地域にパチンコ店などの出店が風営法上認められないため、道公安委員会は同8月、合田観光の営業許可申請を退けた。

http://www.asahi.com/national/update/0320/TKY200703200126.html