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2007年03月20日(火) 12時14分

堀江被告が証人出廷 村上前代表の主張に沿って証言朝日新聞

 ニッポン放送株をめぐり証券取引法違反(インサイダー取引)の罪に問われた村上ファンド前代表、村上世彰(よしあき)被告(47)の公判が20日、東京地裁であり、ライブドア前社長の堀江貴文被告(34)が弁護側証人として出廷した。堀江前社長は「ニッポン放送株の大量取得を決めたのは、実際の買収の直前」と述べ、起訴事実を全面否認する村上前代表側の主張に沿った証言をした。

 堀江前社長は、自らの実刑判決から4日後のこの日、スーツにネクタイ姿だった自身の法廷とはうってかわり、白のTシャツの上に、ボタンをすべて外した薄紫色のシャツを着たラフな姿。法廷に入ると村上前代表に大きく会釈した。

 検察側は、村上前代表が04年11月8日の会議でライブドア側から同放送株の大量取得の方針を聞いたとしている。前社長はこの会議について、「具体的には覚えていない」「大事な会議なら覚えていますよ」などと証言した。

 この前後に部下に対して取得に向けての交渉を進めるよう指示するメールを送っていることについては、「交渉をしてみて、できるもんならやってみてください、という指示をした。お金が足りないし、実際にできるかどうか分からないけど、交渉するだけならタダだから」と話した。

 取得を決めた時期については、「資金調達ができ、時間外取引が出来る可能性が高いと分かった時期」とし、05年2月に実際に大量取得を実行した直前だったとした。

 午前中の公判の最後には、村上前代表が自ら質問。「ニッポン放送株を5%以上取得することを堀江さんの中で決定したのはいつか」と尋ねると、堀江前社長は「心の奥底では買いたいと思っていたが、実際に買いたいと明確に思ったのは本当に直前のことだった」と重ねて述べた。

 これまでの公判では、04年11月8日の会議に出席していたライブドア前取締役の宮内亮治被告(39)が、「200億円の借り入れは大丈夫」「(ニッポン放送株の)3分の1を取る」などと具体的に前代表に伝えたと証言。会議の中で「資金調達の準備をしている外資系金融機関名も伝えた」とした。これに対し、村上ファンドの滝沢建也元副社長が「会議で資金調達に関する話はなかったと思う」などと具体的な計画の伝達を否定した証言をしている。

http://www.asahi.com/national/update/0320/TKY200703200145.html