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2007年03月20日(火) 11時22分

白亜紀の「空飛ぶトカゲ」の化石、中国で発見朝日新聞

 中国・遼寧省の白亜紀前期(約1億2千万年前)の地層から、空を飛ぶ新種のトカゲの化石が見つかった。体の側面に滑空するための飛膜があった。中国の研究グループが、今週の米科学アカデミー紀要電子版に発表する。

空飛ぶトカゲの化石=米科学アカデミー紀要提供

 化石の全長は15.5センチで、そのうち9.5センチが尾だった。肋骨(ろっこつ)のうちの8本が著しく長く、その間に膜があった。この膜を利用して、グライダーのように空を滑空していたとみられる。空を飛ぶトカゲの化石の発見は初めてだという。

 足の親指が長くカーブしていることから、樹上で生活していたとみられ、カメレオン類やキノボリトカゲ類に近い種類だと考えられる。飛膜の大きさや形を現代の鳥類と比較するとスズメに似ており、滑空能力はかなり高かったようだ。

 国立科学博物館の真鍋真・主任研究員は「同時代の中国には、ミクロラプトルなど滑空能力をもつ恐竜もいた。花をつける被子植物の出現などにより、樹上性の爬虫(はちゅう)類が多様に進化したのではないか」と話している。

http://www.asahi.com/international/update/0320/008.html