記事登録
2007年03月20日(火) 10時53分

イラン制裁決議案、南アが大幅修正提案 米欧は強く反発朝日新聞

 国連安全保障理事会の常任理事国とドイツの6カ国が合意した対イラン追加制裁決議案をめぐり、非常任理事国の南アフリカは19日、実施中の制裁の解除を含めた90日間の制裁停止を盛り込むなど大幅な修正を求める独自案を安保理の全理事国に提示した。安保理は20日から協議に入るが、南アが修正にこだわれば、全会一致での採択は難しくなりそうだ。

 南アは核の平和利用を提唱しており、イランとも友好関係にある。常任理事国が決議案作成を独占してきたことへの不満もあり、提案に踏み切ったと見られる。

 修正案は、ウラン濃縮活動と制裁を同時に停止すべきだとする国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長の提案を支持。イランとの交渉期間として、前回決議も含めた制裁を90日間停止し、60日間の濃縮活動停止期限を削除することを求めている。

 また、イランの武器輸出禁止や各国からイランへの武器輸出の自制などの主要項目を削除し、制裁対象から国営セパ銀行とイラン革命防衛隊の関連企業・個人を除外することなども盛り込んだ。

 南アのクマロ国連大使は「我々には決議案の修正を求める権利がある」と主張。だがこれに対し、英国のジョーンズパリー大使は「これまでの決議の主要部分と矛盾する内容で一致は難しい」と語った。米英仏の常任理事国は週内採択を目指しており、協議が長引けば、南アが棄権または反対するとしても強行採決に踏み切る可能性がある。

http://www.asahi.com/international/update/0320/007.html