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2007年03月19日(月) 19時33分

ハドソン、ニンテンドーDS用カードバトル「エレメンタルモンスター (仮称)」高橋名人「簡単なルールで奥深いバトルを目指す」impress Watch

 株式会社ハドソンは3月18日に都内で記者会見を行ない、2007年夏にニンテンドーDS用トレーディングカードバトル「エレメンタルモンスター (仮称)」を発売予定だと発表した。

 「エレメンタルモンスター」は、基本システムはオーソドックスなトレーディングカードバトルだが、ニンテンドーDSやauの携帯電話コンテンツとして配信されることを考慮し、より簡単に誰もが楽しめる敷居の低さが特徴となっている。これまでの多くのトレーディングカードゲームが数多くのカードの内容を覚え、何十枚ものカードで構成されるデッキを組む必要性があったのに対し、「エレメンタルモンスター」では最低1枚からゲームをスタートでき、最大でも6枚で対戦が楽しめる。

 発表会でゲームの説明を行なった、CCカンパニーで名人を務める高橋利幸氏 (高橋名人) は、「これまでトレーディングカードバトルをやったことがない人でも簡単なルールで奥深い駆け引きを楽しむことができる」と語った。

 カードバトルについては、カードを裏表にして3カ所に配置 (カードの裏表の組み合わせはプレーヤーの自由)。まず最初にモンスター1体を召還。モンスターは2つの攻撃方法を持ち、そのいずれかを選択して攻撃を指示。ここで不利だと感じたらモンスターをチェンジすることもできる。戦闘時には、“マナ”と呼ばれるコストに余裕があれば待機カードに特技の指示も出すことも可能となっている。戦闘を繰り返し、モンスターのヒットポイントがゼロになった時点で終了となり、次のモンスターを召還することとなる。

 モンスターには属性がセットされており、火・水・森・光・闇の5つの属性が存在する。火と水と森は相克の関係となっており、火は森に強く、森は水に強く、水は火に強いといった関係となっている。また、光と闇は裏表の関係となるため、お互いにダメージを与える関係となっている。これらの関係を考えてバトルでは駆け引きを行なっていくこととなる。

 そして「エレメンタルモンスター」のバトルにおいて最も大きな特徴は、「リバースシステム」と呼ばれるもの。前述の通りデッキを組み配置したときにカードは裏表の組み合わせとなっている。表のカードがやられた場合、フィリップする (裏返る) ことで裏のモンスターが登場する。この裏返る時に強力な特技を発揮するモンスターもおり、一発逆転を目指すこともできるという。

 もちろんデッキの構築にあたっては、無制限にカードを持ってくることはできない。コスト上限となる“マナ”が「20」を超えてデッキを組むことはできない。

 メインキャラクタと世界観のデザインは、「ファイアーエンブレム」のマンガ連載や「スペクトラルフォース」シリーズ、「ドラゴンフォース」などでキャラクタデザインを手がけてきた日野慎之介氏が担当。カードのイラストは、「マジックザギャザリング」や「デュエルマスターズ」等を手がけるノッツォ氏、一徳氏、高村英彰氏や、「天下人」等で活躍する獅子猿氏などが手がけている。カードは全160種類以上が予定されている。

 ニンテンドーDSのアドホック通信機能で、プレーヤーは対戦やカードの交換が行なえるほか、Wi-Fi通信を通して全国とのプレーヤーと対戦も可能。現状ではWi-Fi通信でのトレードは行なわれず、フリーマッチのバトルのみが考えられており、勝敗によってポイントが与えられるといった展開になるだろうとしている。また、Wi-Fi通信によるカードの追加なども行ないたい意向だとしている。

 発表会にはハドソンの執行役員常務でありCCカンパニープレジデントを務める香月薫児氏をはじめ、「エレメンタルモンスター」に関するメディアミックスに参加する各企業の代表者が出席し、挨拶を行なった。まず最初に登壇した香月氏は「大きなメディアミックスに育てていきたい」と挨拶し、意気込みを語った。

 今回のプロジェクトでは、ニンテンドーDS用ゲームが発売されるだけでなく、携帯電話用コンテンツもリリースされる。ニンテンドーDS用「エレメンタルモンスター」の発売に先駆けてリリースされる予定で、これについてKDDIのコンテンツ・メディア事業本部の竹之内剛部長が挨拶を行なった。

 竹之内氏は「auといえばリスモなど音楽配信などを思い浮かべる人が多いと思うが、実はゲームの売上げが1番となっており、20億円に迫る市場ができあがりつつある」と携帯電話機におけるゲーム市場の状況を説明。今回「エレメンタルモンスター」がBREW端末に向け配信されることについても「ゲームの発売に合わせ携帯でもコンテンツがリリースされるなど、横の連携を活用し広げていきたい。(KDDIとしては) エンターテインメント界のモンスターを目指したい」と今後の展開に期待を寄せた。

 講談社からは携帯向けにコミックを配信している「MiChao!」の吉沢新一編集長が出席。「エレメンタルモンスター」のコミックスが「MiChao!」で配信されることが決まっており、「MiChao!」の説明などを行なった。「MiChao!」ではこれまで雑誌などで配信されたマンガがKCコミックスなどで出版された後に携帯で配信されることが多かったが、「MiChao!」ではまず最初に会員向けに携帯電話でコミックスの配信が行なわれ、その後無料で配信され、最終的に紙で出版されるといったこれまでとは逆のビジネスモデルとなっているという。会員は3万5千人で、男女比率は50%づつとなっている。吉沢氏は「MiChao!」で連載される「エレメンタルモンスター」のマンガについて「現実世界が舞台となっており、カードバトルをフィーチャーした作品になる」と説明した。後々は会員に向けてゲームのシークレットカードが利用できるようになるコードの配信なども考えており、より濃密なメディアミックスを展開していきたいという。

 続いて、携帯で配信されるマンガ版「エレメンタルモンスター」を執筆する丸伝次郎氏も登壇。丸氏は「カードバトルの緊張感や駆け引きなど心理戦をマンガで描きたい」と意気込みを語った。

 最後に挨拶を行なったのは、株式会社ユージンでガチャ事業を担当している依田智雄氏。依田氏は日野氏のキャラクタデザインを見せてもらいフィギュア化を決めたという。会場では完成したばかりの原型を披露。細かく仕上げられており、「ゲームと連動できるよう色々と画策している」とコメント。このフィギュアはガチャ自販機で購入できるようになり、ゲームの発売直後に導入される予定となっている。

 発表会にはこのほかにもゲームのオープニングテーマ曲「MONSTER DRIVE」を歌うハレンチ☆パンチが登場。ボーカルでリーダーの小笠原朋美さんは今回作詞も行なっており、「絵コンテを見せていただき、自分の道を切り開いていくためには、心が強くなくてはダメだと思った。そういった想いを込めた。格好良くてゲームにピッタリ合っていると思う」と語った。大空さやさんは「ゲームと連動していて、良く仕上がっていると思う」とコメント。奥菜真子さんも「盛り上げていければ」と抱負を語った。

(C) 2007 HUDSON SOFT

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