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2007年03月19日(月) 00時00分

台東区長に吉住氏再選朝日新聞

 台東区長選が18日投開票され、前職の吉住弘氏(65)=自民、公明推薦=が前区議の中山寛進氏(34)=民主推薦=、前区議の関根博之氏(60)を破り、再選を果たした。投票率は50・41%。当日有権者数は13万8256人。定数が2減り32になった区議選も同時に投開票され、次々に新しい顔ぶれが決まった。

 吉住氏は、「中学生までの医療費無料化」などの子育て支援策により、人口が16万人台に増えた、と実績を強調。18万人都市の実現を訴えた。

 選挙公報以外には、政策パンフレットもない地味な戦いだったが、自民区議候補の個人演説会をこまめに回り、同日選の利を生かして、票の掘り起こしに成功した。

 深谷隆司衆院議員らも連日応援に入り、陣営を引き締めた。これらに加えて、医師や歯科医師らの団体や町内会幹部といった保守系の厚い組織が威力を発揮した。前回同様、公明の推薦を得たことも大きかった。

 当選が決まり事務所に現れた吉住氏は支持者と握手。「(中山氏が)民主党の大物を呼ぶ選挙戦の中、地元の人々の支援を得て正々堂々と勝てた」と喜びを語った。

 初挑戦の中山氏は、吉住区政を「リーダーシップの欠如」と批判。「区長の退職金廃止」を掲げた。民主党の衆参両院議員、都知事選に出馬表明した前宮城県知事の浅野史郎氏も応援に来た。だが、議会で吉住区政の与党的立場だったことや、「若すぎる」との批判を浴び、及ばなかった。

 前回に続いて立候補した関根氏は、「役人主役から区民主役の政治に変えよう」と訴えた。選挙カーにはほとんど乗らず、歩いて辻説法をした。所属する議会会派「チェンジ台東」の区議候補らと連動。候補を立てなかった共産党の支援も得て、「無党派の風を起こそう」と呼びかけたが、届かなかった。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000703190003