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2007年03月19日(月) 00時00分

アレジが巻き込まれたドタバタ劇…スポンサー突然消滅ZAKZAK

「投資家がすべてをぶち壊した」

 「(投資家が)すべてをぶち壊した。それだけさ」

 昨年10月のF1日本GPのパドックで、アレジ氏は本紙の取材に渋い表情で答え、足早に立ち去った。

 アレジ氏には、08年以降のF1に新チームを率いての参戦プランがあった。だがメーンスポンサー(D社)が昨夏、国内外のモータースポーツ活動をすべて休止し、表舞台から突然消えたのだ。

 D社社長は元レースクイーンという20代半ばの美女。05〜06年にかけて国内外のレース活動に数十億円規模を投入していたが、D社株を所有する投資会社の「事業方針転換」で全活動をやめるとHPで説明した。その投資会社の代表がアレジ氏の語った投資家だった。

 平成電電への警視庁の捜査で、IT企業「ドリームテクノロジーズ」にも家宅捜索が入った。ド社は当時、平成電電との関係を強め、04年7月には今回逮捕された平成電電社長の佐藤賢治容疑者をド社の顧問に就任させている。一方、先の投資会社は01年末から、経営難に陥っていたド社の第三者割当増資を何度か引き受け、最高で33・9%を所有する筆頭株主となり、投資家本人も取締役として経営に参加した。

 2社の接近と新株予約権発行や株式分割で、ド社の株価が急騰すると、投資家はド社株を売り抜け、取締役も退任した。

 証券アナリストは当時の資料などから「投資家は約13億円の投資で170億〜180億円か、それ以上の利益を得た可能性がある」と指摘。平成電電を批判するネット掲示板でも、平成電電が一般投資家から集めた490億円のうち、200億円が投資家に流れた、などと書き込まれた。「D社が表舞台から消えたのはその直後だった」(F1ジャーナリスト)。

 被害者弁護団の弁護士は「投資家の関与やどれだけ金が流れたのかは全く分からない」と語るが、当局の捜査で両者の関係が鮮明になる可能性もありそうだ。

 

ZAKZAK 2007/03/19

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031925.html