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2007年03月19日(月) 00時00分

白昼堂々2億5千万円相当を…大胆「金」盗難の背景ZAKZAK

北京五輪関連を指摘する声も

 事件は白昼堂々行われた。18日午後0時45分ごろ、岐阜県高山市丹生川町日面の観光施設「飛騨大鍾乳洞・大橋コレクション館」に4人組の男が侵入。女性従業員2人だけになった隙をつき、上面16.5センチ四方、底面17.5センチ四方、高さ19センチの台型の金塊(重さ100.5キロ)を強奪した。

 犯行の背景にあるとみられるのは、金市場の高騰だ。金製品を製造販売する三菱マテリアル(東京都千代田区)が発表する金の市場価格は3月16日の時点で国内小売価格2602円。昨年同時期(3月17日)の2110円に比べて約500円も急騰している。

 一般に金は、1970年代のオイルショックによる高騰に見られるように、原油の市場価格と連動しやすいとされる。変動しやすい貨幣に比べ変動の少ない金は、実物資産として根強い人気があるようだ。

 一方、「金価格長期上昇の原因は経済成長を続ける中国やインドとロシア、中東のオイルマネーによる需要にある」と指摘する専門家もいる。これにより、「高値にもかかわらず、鉱山生産量が増えてこないという供給面の問題も価格高騰に拍車をかけている」。

 ただ、専門業者によると、盗品の金塊を現金に換えるのは難しいという。奈良市の貴金属買い取り業者は「金を溶かして形を変えるのは素人には難しく、地金業者に持ち込んだ時点で足がつく。正規のルートでは処分できないのではないか」と話す。

 全国で頻発する金属盗。五輪を控え、金属需要が増す中国の影響を指摘する声もあるが、はたして今回の金盗難にも同様の背景があるのだろうか…。

ZAKZAK 2007/03/19

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007031908.html