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2007年03月17日(土) 06時28分

経産相が「ウラン外交」 GWに民間連れ中央アジアに朝日新聞

 甘利経済産業相は、4月末からの大型連休中に中央アジアのウラン産出国カザフスタン、ウズベキスタンなどを訪問する。目玉となるカザフスタンには電力会社、原子炉メーカー、大手商社などのトップら約20人が同行。ウランをめぐる国際的な獲得競争が激化する中で、官民合同の異例の訪問団を結成し、資源外交を強化する狙いだ。

世界のウラン埋蔵量と日本のウラン輸入先

 甘利経産相は4月28日にウズベキスタンでカリモフ大統領ら、30日にはカザフスタンでナザルバエフ大統領らと会談した後、中東の産油国サウジアラビアを訪問する予定。カザフスタンでは、日本の企業や政府系機関が同国側と個別に交渉しているウラン権益取得などの案件について、両国の首脳・閣僚が臨席して一度にサインし、協力関係をアピールする。

 カザフスタンは世界2位のウラン埋蔵量を誇るが、日本の輸入量に占める同国の割合は1%にとどまる。「原子力回帰」が世界的に進む中で、燃料となるウランの価格は00年末以降、約12倍に上昇。日本は将来の需給逼迫(ひっぱく)に備え、今回の訪問を通じてカザフスタンをオーストラリア、カナダに続く大口輸入先に押し上げる狙いだ。

 カザフスタンをめぐっては、中国やロシアが資源外交で先んじている。ただ、増加する電力需要を賄うために原発導入を目指すカザフスタンは、ウランの買い手国から広範囲の技術協力を受けたい希望を持っている。

 このため、経産省は「出遅れた日本にも、燃料の大口顧客としての立場と技術力という強みがある。世界的な原子炉メーカーを持つ日本は中ロより優勢」(幹部)と皮算用している。

http://www.asahi.com/business/update/0317/002.html