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2007年03月17日(土) 17時38分

先生も塾へ 生徒の気持ちのひきつけ方を講座朝日新聞

 塾講師のノウハウを教えます——。進学塾の早稲田アカデミー(本社・東京)は今月から、現役教員らを対象に「教師力養成塾」を始めた。教科の内容ではなく、声のかけ方から目線の合わせ方まで、生徒の気持ちをどう引きつけてやる気を引き出すかがテーマ。講師一人ひとりの教える力が経営に直結する塾の「基本のき」を、学校現場にも売り込んでいく。

 主な対象は、小学校から高校までの現役教員。「学習のための空間作り」の手法を教える。教室への入り方、出席の取り方をはじめ、効果的なほめ方とその際の声の調子、黒板の前での体の向きや目線など、きめ細かい。

 競争が激しい塾業界では、生徒と保護者からの評判が経営を左右する。同アカデミーは、生徒を引きつけるための研修を新人講師に行っており、そのノウハウを応用する。

 教師塾は1回3時間程度、計10回で、講座料は3万5000円。東京都新宿区の教室を会場に、平日は夜間に、春休みや夏休み期間には日中の時間帯にも開く。既に私立の中高一貫校3校の教師20人から申し込みがあった。

 早稲田アカデミーは2年前から東京都港区、昨年からは足立区で、それぞれ公立中の補習授業を受託している。その際、講師の身ぶり手ぶりを間近に見た中学校数校から「ノウハウを学びたい」との要望が寄せられ、昨秋から研修の講師を派遣してきた。こうした実績を踏まえて事業化することにした。

 研修を開いた中学校の校長は「教員のプレゼンテーション能力だけを取り上げた研修は、学校や教育委員会ではこれまでなかった。学校は塾とは違うという思いはあるが、ほめ方や声の出し方は参考になる」と話している。

http://www.asahi.com/life/update/0317/007.html