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2007年03月16日(金) 01時22分

シャープ洗濯機、計52万台をリコール 発火事故19件朝日新聞

 シャープは15日、同社製の洗濯機で発火や発煙にいたる不具合が見つかった問題で、計52万1604台を無料点検・修理(リコール)する、と発表した。対象は、小型全自動洗濯機と二槽式洗濯機の二つで、計19件の発火事故があった。民家が全焼した1件のほか、修理後の発火も1件あった。けが人はいない。同社は「設計ミス」と認め、新聞広告を出すなど、利用者に注意を呼びかける。

リコール対象機種の見分け方

シャープ製洗濯機の発火事故

 全自動の対象機種は98年11月から99年12月まで八尾工場(大阪府八尾市)で製造した「ES—42」シリーズの計18機種(無印良品ブランドでの販売品を含む)、約20万5千台。01年から計7件の発火事故があり、02年4月からリコールを実施し、02年と04年の2度、広告を出した。しかし、これまでに対象の26・9%しか点検が済んでおらず、リコール後も8件の発火事故があった。

 02年2月には、発火事故でさいたま市の民家が全焼。また、昨年4月には福井県敦賀市で修理後の製品から発火し、壁の一部を焦がした。「作業委託先の担当者に誤った作業内容が伝わった」(同社)といい、同じ担当者が作業をした製品3台が未回収という。

 同社によると、どの事故もモーターそばの配線を束ねた部分から発火した。運転時の振動で急な屈曲を繰り返して断線し、線を束ねている部材に燃え移った。

 二槽式の対象は98年6月から07年2月までに製造した「ES—50F1」と「ES—56GS」の約31万6千台。原因は、すすぎ後の洗濯物を内ぶた付近に載せると、繊維くずや洗剤残りかすが制御スイッチ内の樹脂に付着し、放電を繰り返して発火に至った、という。05年3月から07年2月まで計4件の発火事故があった。

 同社は2月28日に経済産業省に発火事故の発生状況や今後の対策について報告した。社内で発火のメカニズムを検証したため、発表が遅れたとしている。対策には総額11億円を見込んでいる。

 問い合わせはフリーダイヤル(0120・404660)。

http://www.asahi.com/life/update/0316/002.html