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2007年03月16日(金) 00時00分

不登校の子どもら 創作劇あす公演朝日新聞

  不登校で地域に居場所を見つけられない子どもや若者が通う川崎市高津区下作延のフリースペース「えん」が、「たまりばフェスティバル」を17日、市民プラザ(高津区新作)で開く。楽器演奏や歌のほか、悪代官でおなじみの俳優・片岡五郎さん(63)の指導で、劇「おしん ドリームスカムトゥルー」のけいこが佳境だ。

  「せりふは必ず、客席に向かって」。指導するのは、「しかり方」の講演も多い片岡さんだ。「相手の目を見ることからコミュニケーションは始まるけど、子どもたちは最初、それができなかった。相手をちゃんと見るため、チャンバラから始めた」と3年半前の指導当初を振り返る。

  チャンバラで切られても生きながらえる演技を求めた。表現力を持たない子ほど、切られるとすぐ死んでしまう。それを指摘し、人に見てもらうことの楽しさに子どもたちも目覚めた。

  劇は、周囲からは変わり者と見られるおしんが、シンデレラのようにお城の若殿様に気に入られる話だ。シナリオは子どもたちとスタッフでつくった。
  演じている子どもからは、笑い声が絶えないが、そばでゲームをする子もいる。やりたい子がやるのが、ここの大切なルールだ。初めは興味なくても、練習を横目に「やってみる」という子も出てくるという。

  えんを運営するNPO法人フリースペースたまりば代表の西野博之さん(47)は「子どもが緊張しないよう、せりふは固めない。場面を理解し、自分の言葉で話してもらう。当日、配役が急に変わるかもしれないし」と話す。

  午後2時半〜。大人千円、20歳未満100円。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000703160001