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2007年03月16日(金) 15時32分

Samsung、Vista搭載の第2世代UMPC「Q1 Ultra」impress Watch

 韓国Samsung Electronicsは15日(現地時間)、CeBIT会場でプレスカンファレンスを開催し、同社2世代目となるUMPC(Ultra Mobile PC)「Q1 Ultra」を発表した。価格は未定だが、1,400ユーロ(約21万円)程度だった第1世代の「Q1」と同程度となる見込み。発売は5月。

 CeBIT 2006で発表されたQ1と比較して、デザインこそ似通っているが、ハードウェアは一新され、OSもWindows XP Tablet PC Edition 2005からWindows Vista Home Premiumへと変更された。

 Q1 Ultraは、Q1におけるPCとしての機能性、デザインといった好評だった部分を踏襲しつつ、不満点を克服する形で開発。本体サイズはQ1の227.5×139.5×24.5〜26.5mm(幅×奥行き×高さ)から、227.5×123.9×22.9〜23.9mm(同)へ小型化され、重量も779gから690gに軽量化された。

 一方でハードウェアは大きく強化。メモリは512MBから1GBに、HDDは40GBから60GB(1.8インチ)へと順当に進化したのに加え、液晶ディスプレイ(ワイド7型/タッチスクリーン)の解像度が800×480ドット(WVGA)から1,024×600ドット(WSVGA)へと引き上げられた。輝度も200cd/平方mから300chd/平方mに向上している。

 チップセットはIntel 94xGMベースのものを採用し、Windows VistaのAeroに対応。CPUは、本製品で初めて採用されたIntel製の低電圧版プロセッサを搭載。クロックは800MHzでTDPは3Wと極めて低い。なお、CPUの詳細については別記事を参照されたい。

 バッテリ駆動時間も3時間から3.5時間へと若干伸びたが、これは低消費電力化というより、3セルから4セルへ大容量化したところが寄与しているものと思われる。なお、6セルの大容量バッテリでは6.8時間動作する。

 インターフェイス面では、QWERTY配列のキーを、本体上部の左右に二分する形で実装。UMPCの独自のユーザーインターフェイスの1つであるソフトウェアキーボード「ダイヤルキー」では、メールなどの文章入力に難があるというユーザーの要望に応えた。

 このほか、十字キー操作もできるスライドパッド、左右クリックボタン、ホットキー、指紋センサー(オプション)、30万画素(本体表面)と130万画素(本体裏面)のWebカメラ(オプション)、USB 2.0×2、SDカードスロット、SIMカードスロット、VGA出力、Ctrl+Alt+Delキー、1.5W+1.5Wのステレオスピーカー、マイクなどを備える。

 ネットワーク機能は、IEEE 802.11b/g無線LAN、Bluetooth 2.0、Ethernetに加え、HSDPA/WiBRO(オプション)とデジタルマルチメディア放送の「DMB」(韓国のみのオプション)にも対応する。

 OSは、XPからVistaに進化しただけでなく、その上に被さるOrigamiインターフェイスも改良が図られた。Microsoftの調査によると、UMPCの利用形態として最も多いのが、音楽、動画、写真の鑑賞だったといい、ポータル画面にはこれらにプログラムを加えた4つのランチャーボタンのみが表示されている。

 また、画面下部には、Windows Media Playerと同じ再生や頭出しのボタンが並ぶ。これらのボタンは、音楽/動画/写真の表示の際にも表示され続けるので、写真を閲覧しているときも、画面を切り替えることなく音楽を止めたり、次の曲を再生したりできる。

 このほか、電源ボタンの操作で、瞬時にON/OFFしたり、指で操作するときのターゲティングや、手書き文字認識の精度を向上させるといった改善もなされている。

 発表会では、実際の利用シーンになぞらえたデモが行なわれ、Office 2007の各種アプリケーションを動作させたりしていたが、一般的なノートPCと同程度のレスポンスで動作していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070316-00000014-imp-sci