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2007年03月16日(金) 00時00分

能代産廃/元経営者に措置命令 朝日新聞

 能代市浅内の旧能代産業廃棄物処理センターの敷地から不法投棄のドラム缶が大量に見つかった問題で、県は15日、同センター(98年倒産)の福田雅男・元社長に対し、廃棄物処理法に基づき、ドラム缶を処分することなどを求める措置命令を出した。法人に対しては05年1月に措置命令を出していたが、試掘調査の結果、個人への命令に踏み切った。

 求めた措置は、人体に有害な廃油などが入ったドラム缶約1400本の撤去と焼却処分▽遮水壁を設置し、汚染地下水が周辺に漏れ出さないようにする、など。4月1日までの着手を求めている。

 06年10月〜07年2月の県の試掘調査で見つかったドラム缶の内容物を分析したところ、センター周辺で検出されていた廃油などと成分が一致したという。試掘調査した場所は、センターが法人化される前、福田元社長が個人事業主をしていた80〜85年までに使っていた場所で、県は「経営者個人の関与に確信を持った。故意か、重大な過失が認められる」などとしている。

 05年の法人に対する汚染地下水のくみあげなどを求める措置に対しては、破産管財人が「できない」という旨の回答をし、県が管理を代執行していた。今回の措置に絡み、県が開いた聴聞会では、福田元社長は姿を見せず、陳述書を郵送してきたという。福田元社長の所在はわからないといい、陳述書の内容は明らかにされていない。

 地元・浅内の原田宏作自治会長は「住民は何十年も苦しんできた。もっと早く対応して欲しかった」と話した。

 環境省産業廃棄物課によると、産業廃棄物の不法投棄に絡み、06年11月末までに全国で発令された措置命令は87件。うち17件で行政代執行を着手した。措置命令に従わない場合、財産の差し押さえや刑事責任を問う手続きがとれるという。

http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000000703160003