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2007年03月14日(水) 00時00分

市議の海外視察 廃止の請願、不採択朝日新聞

  横浜市議会で13日、市議の海外視察制度の廃止を求める請願が取り上げられた。「観光まがいだ」と批判する共産党に対し、公明党が「予算審議のためにも必要な視察だ」と真っ向から反論。自民、民主、公明の各党の反対で、請願は不採択になった。

(太田泉生)

  請願は、共産党市議が紹介議員となり、市民団体から出ていた。「観光地への視察が市政の役に立つのか」と疑問視し、視察は政務調査費の範囲内で実施するよう求める内容。

  市会運営委員会で審議された。請願は、公明市議団の5人が05年11月に実施したペルーやブラジルへの視察を取り上げて批判した。12日間で、世界遺産のマチュピチュ遺跡やブラジルアマゾンの森林地帯を視察するという内容だった。

  これに対し、この視察には参加していない公明党議員が、横浜市に本部がある国際熱帯木材機関(ITTO)の活動の現地視察だったと反発した。ITTOは横浜市が誘致した国際機関で、市は毎年補助金を出し、07年度予算案でも6700万円を計上している。こうしたことから、公明党議員は「予算審議のためにも視察は大変重要。ITTOの全面協力のもとに行った視察で、観光まがいと言われるのは心外だ」と述べた。

  請願の採決では、共産党とネット横浜、無所属クラブの委員は賛成した。

  横浜市議会の海外視察制度は、1期目の市議には4年間で最大60万円、2期目以降の市議には最大120万円が市の予算から出る。03年の前回市議選以降に66人の市議がこの制度を使い、合計で約6600万円が支出された。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000703140002